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観劇:チェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』

今月は、初めての劇団のお芝居を沢山観ました。

ラストは、チェルフィッチュ。

これも、とあるメルマガがきっかけで気になったのですが、すでに完売。

追加公演が発売されると知り、チケットを取りました。

 

 

 

 


とある部屋に、一組の男女(夫婦)がいる。

夫は、観客に背を向けるように椅子に座り

なぜか足を、床に着かないようぎりぎりのところで浮かせている。

舞台は2012年。

前年に、あの大震災があってから

妻は心に起こった変化を、出来事を振り返りながら夫に言い聞かせる。

「ねぇ、憶えてる?」と。

 

 

 

それまでは、アパートから赤ん坊の泣き声が聞こえてくるだけで苛立っていたのが

あの震災をきっかけに、苛立たなくなった。

地震が起きた後、アパートの住人と近くの駐車場に集まったとき

それまで挨拶も交わさなかった住人たちに対して、関心を持ち始めたこと。

 

 

 

その部屋に、一人の女性が訪ねてくる。

女性は、交通渋滞に巻き込まれ、部屋に着く時間が遅れてしまう。

携帯の充電は切れ、訪問が遅れることを連絡できない。

妻はあの日からの記憶を話し続け、夫は時々相槌を打ったり

「そうだったっけ?」と返事をするのだが。

 

 

 

実は、震災から4日後、妻は持病の喘息で死んでしまった。

部屋に残る妻の亡霊。

亡霊と会話をする夫。

部屋を訪ねて来ようとしている女性は、妻の死後、夫が恋心を抱くようになった女性であり

女性もまた、男性に対して淡い気持ちを抱いている。

 

 

 

震災によって心に湧いた様々な感情を「かき混ぜられた」と言ったり

震災によって「(他者への)無関心が死んだ」と言う台詞は

とても独特で心に残りました。

が…妻が延々と繰り返す「ねぇ、憶えてる?」に

私の心がかき混ぜられてしまい…途中から(いつ終わるかな)と感じてしまいました。

 

 

 

チェルフィッチュ_『部屋に流れる時間の旅』

 

 

 

作・演出の岡田さんが上に書いている通り

震災を経て、新しい変化を実現させるための突破口に立った妻は

心の中に湧き上がった未来への希望を言葉にして夫に聞かせるけれど

妻を失い、別の女性に好意を持ち始めた夫とは、温度差があって…

というところまでしか、感じることが出来ませんでした。

 

 

 

演出なのだろうけれど、舞台上で放たれる光や風に、集中力がそがれたし

伝えたいことを抽象的な台詞に込めて

観客自身の読み取る力に大部分を委ねているように感じた今作に対して

疲労感と後味の悪さが残りました。

 

 

 

作品から何を感じるかは観客の自由で

「おもしろい」「つまらない」「かなしい」「たのしい」など

様々な感想が湧いてきますが

楽しい作品だけが良かった訳ではなく

イキウメ『天の敵』や、ワンツーワークス『アジアン・エイリアン』のように

重いテーマを扱った作品でも、

観終わった後もずっと、そのテーマを自分の人生や生活のそばに置いて

一緒に生きていく作品もある。

 

 

 

観る時の、自分の肉体的・精神的なコンディションもあるだろうし

年齢的に、好みが変わってくることもあるだろうから

“相性” という二文字で片付けることはあまりしたくないけれど

それでもやっぱりあるんだろうなぁ、相性が。

なんてことを感じた観劇でした。

 

 

 

チェルフィッチュ_『部屋に流れる時間の旅』

 

 

 

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