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2018年2月:観劇備忘録(7)

ピン 2/3(土)

 『目頭を押さえた』(サンモールスタジオ)

 

 目頭を押さえた

 

  作 :横山拓也(iaku)

演出:松本哲也(小松台頭)

出演:小川あん、納葉、緒方晋、松本哲也、森谷ふみ、櫻井竜、村上誠基、斎藤ナツ子

 

【感想】

iakuの横山さんが脚本+緒方晋さんが出演されるということでチケットを取りました。

 

とある山間の集落に住んでいる従姉妹2人。

遼は、集落に住む人々を “ 遺影 ” と称して写真を撮る日々。

そんなある日、遼の写真が全国高校生の写真コンクールで大賞を受賞する。

遼の従姉妹である修子は、そんな遼を誇らしく思っていたのだが…。

 

従姉妹を誇らしく思いながら、自分には何も無いことに悩む修子。

本格的に写真に取り組むために、村を出ることを決める遼。

娘の夢を素直に応援できない遼の父・馨。

 

みんな、それぞれに思いがあって

それが真っ直ぐである故に、他者を傷つけてしまう不器用さ。

 

話もさることながら配役が素晴らしくて、やっぱり観て良かったと思った。

iakuの作品の幾つかはこれから再演されるので、そちらも楽しみ。

 

 

 

ピン 2/4(日)

 『秘密の花園』(東京芸術劇場/シアターイースト)

 

 秘密の花園

 

  作 :唐十郎

演出:福原充則

出演:寺島しのぶ、柄本佑、玉置玲央、川面千晶、三土幸敏、福原充則、池田鉄洋、田口トモロヲ

 

【感想】

難解。

全然わからなかった…。

ただただ、舞台から、というか寺島しのぶさんから発せられる圧倒的なエネルギーを浴びていた。

 

 

 

ピン 2/10(土)

 放電家族『しおとさとう』(新生館)

 

 しおとさとう

 

脚本・演出:天野順一朗

出   演:いまいΣ、MikuU、さとうあやな、結城ゼミナール、天野順一朗、猫神マオ、渡邉怒涛、不動湧心

 

【感想】

インパクトの強いフライヤーを見て、チケットを取った。

割りと入り組んでいる話だったけれど、面白く観た。

観ながら『アヒルと鴨のコインロッカー』を思い出した。

観終わったすぐ後に(あぁもう一度最初から観たい!!)と思った。

少ないセットでも、それをマイナスに感じさせない工夫があり

内容としては決して明るいものではないのに

ラストシーンに救いがあるという。

なんとも不思議な作品だった。

普段は名古屋方面で活動されている劇団らしいが

もっと東京で公演してほしいと思った作品だった。

 

 

 

ピン 2/10(土)

 ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』(東京芸術劇場/シアターイースト)

 

 ヒッキー・ソトニデテミターノ

 

作・演出:岩井秀人

出  演:岩井秀人、平原テツ、田村健太郎、チャン・リーメイ、能島瑞穂、高橋周平、藤谷理子、猪俣俊明、松井周

 

【感想】

タイトル通り、ヒッキー(引きこもり)が外に出てみた話。

軽い話かと思っていたら意外と重くてたじろいだ。

斉藤和夫役の古舘寛治さんが体調不良のため、代役に立ったのは松井周さん。

開演前に岩井さんが出てきて

「松井さんは台本を持って演じますので、そのあたりは温かく見守ってください」

と言っていて、(そんなこともあるのね〜)と。

台本を持ちっぱなしなので、そのことで観客から笑いが起こったり。

ちょっと珍しい観劇体験となりました。

 

 

 

ピン 2/11(日)

 電動夏子安置システム 第37回公演『3483』(駅前劇場)

 

 3483

 

脚本・演出:竹田哲士

出   演:岩田裕耳、新野アコヤ、小原雄平、日向翔梧、風間庸平、片桐俊次、大野ひろみ

      犬井のぞみ、道井良樹、小舘絵梨、町屋圭祐、塚原直彦、ドロンズ石本

 

【感想】

電動夏子〜の話って伏線が多い上にそれを回収するスピードが速くて

途中からついていけないことがあるんだけど

それでもまた、次も観たくなる。

そして犬井さんの演技はいつも面白くて、(この人よく自分で笑わないな)と感心してしまう。

 

 

 

ピン 2/14(水)

 『密やかな結晶』(東京芸術劇場/プレイハウス)

 

 密やかな結晶

 

原   作:小川洋子

脚本・演出:鄭義信

出   演:石原さとみ、鈴木浩介、村上虹郎、山内圭哉、ベンガル

 

【感想】

2月半ばにして、今年一の駄作に決定。

原作が大好きで、期待値が高かったのが原因かも…。

開始10分くらいで(あぁこれ、やっちゃった方の作品だわ)と思った。

「小川洋子さんのOK出てるの?」と聞きたくなるくらい、原作の世界観ぶち壊し。

特殊な設定なのでそこをどう表現するか、というところに興味があったんだけど

一番やってほしくない手段(歌)でそれを説明しちゃうという。

制限がある中で、仕方ないのは理解できるけれど、ナンセンス。

最後の「愛してる」って台詞も、どうしてそれ言わせるかなぁ、と苛々した。

ラストシーン、泣いている観客は原作読んでないんだろうな、と思いながら観てた。

これで9,000円。時間とお金を返してくれと言いたい作品だった。

 

 

 

ピン2/17(土)

 オフィスコットーネプロデュース『夜、ナク、鳥』(吉祥寺シアター)

 

 夜、ナク、鳥 夜、ナク、鳥

 

  作 :大竹野正典

演出:瀬戸山美咲

出演:松永玲子(ナイロン100℃)、高橋由美子、松本紀保、安藤玉恵

   政岡泰志(動物電気)、成清正紀(KAKUTA)、井上幸太郎、藤井びん

 

【感想】

松本紀保さんが見たくてチケットを取った。

2002年に福岡県久留米市で実際に起こった保険金連続殺人事件をモチーフに描いた作品。

セットは、ほとんど無いようなもの。

舞台中央に、ソファとテーブル。

それをコの字型に取り囲むように客席。

シンプルなセットなのに、それが全く気にならない程の役者さん(女優陣)の演技力。

 

同じ職場に勤める看護師、医師、治験コーディネーターの4人が

互いを苗字で呼び合うことの違和感のようなもの。

(女性は仲が良くなると、下の名前で呼ぶことが多いので)

それが、殺人の共犯者であるためだと気づいた時

彼女たちの距離感の取り方に恐怖を覚えた。

 

こういうのが観たいんだ。こういうのにお金を払いたいんだ。

タレントを持ち上げるような、つまらないくせにチケット代だけは高額な作品じゃなくて

本当の役者さんが演じている作品。

いやしかし、本当に女優陣の演技力が素晴らしく、見応えのある作品だった。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 21:46 | comments(0) | - | pookmark |
2018年1月:観劇備忘録(4)

ピン 1/13(土)

 『黒蜥蜴』(日生劇場)

 

黒蜥蜴

 

 原作:江戸川乱歩

 脚本:三島由紀夫

 演出:デヴィッド・ルヴォー

 出演:中谷美紀、井上芳雄、相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹、成河

 

 【感想】

 中谷美紀さん、やっぱり素敵だった〜!

 賢さと色気、気位の高さを持った緑川夫人(黒蜥蜴)を見事に演じていました。

 結末が分かっていても観客に切なさを感じさせる演技力は見応えがありましたし

 音楽は舞台袖で生演奏という贅沢さ。

 日生劇場のクラシカルな雰囲気も、この演目と合っていたと思います。

 

 

ピン 1/14(日)

 シス・カンパニー公演『近松心中物語』(新国立劇場/中劇場)

 

近松心中物語

 

   作 :秋元松代

 演出:いのうえひでのり

 出演:堤真一、宮沢りえ、池田成志、小池栄子、市川猿弥、立石涼子、小野武彦、銀粉蝶

 

 【感想】

 友人がチケットを取ってくれたのだが、前から4列目(5列目だったかな)の舞台真正面!

 前方の座席をつぶしてまで組んだかなり大掛かりなセットで

 迫力を感じられる席で楽しむことが出来ましたし、

 遊郭を舞台にした町屋のセットや、登場人物の多さは

 いのうえ作品らしさを感じさせる要素として物語を構成していました。

 

 個人的には、小池栄子さんはさすがだな、と。

 宮沢りえさんが、演出家の望む演技をする(そしてその事に自己満足感を見出す)俳優ならば

 小池栄子さんは、それをこなした上で自分なりの解釈を演技に乗せてきて観客を魅了する。

 だからいつ観ても、この人の演技には引き込まれる。

 池田成志さんと小池栄子さん演じる夫婦が出てくるシーンはついつい笑ってしまったし

 小池さんは、一途でいじらしい女の部分と、大切に育てられてきた一人娘らしい、

 自分の意思を貫くわがままさを絶妙なバランスで演じていたように感じました。

 

 堤さんの役柄は、ドラマ『やまとなでしこ』を思い出したな。 

 

 

ピン 1/19(金)

 ロロ vol.14『マジカル肉じゃがファミリーツアー』(KAAT/大スタジオ)

 

マジカル肉じゃがファミリーツアー

 

 脚本・演出:三浦直之

 出演:板橋駿谷、亀島一徳、篠崎大悟、島田桃子、望月綾乃、森本華(以上、ロロ)

    猪俣三四郎(ナイロン100℃)、北川麗(中野成樹+フランケンズ)、宮部純子(五反田/青年団)

 

 【感想】

 この少し前に観に行った芝居でもらったフライヤーにこれが入っていて

 (なんちゅうタイトルだ)と気になっていてチケットを取った。

 

 町田家を取り巻くファンタジー要素あふれる物語かと思いきや

 人生について深い台詞をサラっと言ったりするので気が抜けなかった。

 衣装やセットがカラフルで、回り舞台を演者が手で押して場面転換するという手作り感。

 

 個人的には、町田奈津子役(町田家の母)を演じた板橋駿谷さんが

 ガタイがいいので最初はギョッとしたけれど、段々違和感がなくなっていくのが面白かった。

 ラストシーン、音楽を役者さんのボイパでやり始めた時、なぜか泣きそうになった。

 

 

ピン 1/20(土)

 トリコ・A演劇公演2018『私の家族』(シアター風姿花伝)

 

私の家族 私の家族

 

 作・演出:山口茜

 出  演:藤野節子、中田春介、藤原大介、吉岡あきこ、長尾純子、昇良樹

 

 【感想】

 フライヤーに書かれていた「私が加害者だったかもしれないと、

 考えずにはおれない事件を時折目にします」

 という一文に興味を惹かれてチケットを取りました。

 

 2012年の尼崎連続殺人事件を元に書かれたというこの作品は

 無意識の意識下で愛情を求めている主人公が他人と暮らし始め

 いつしか疑似家族から抜け出せなくなり、正常な判断力を奪われて支配されていく様を描いたもの。

 蟻の巣が崩れるように主人公の思考や人格が崩壊していくのは観ていて怖くなり

 (どうなるんだろう)(早く終わって)と

 二つの感情に支配されながら観ていました。

 

 終演後、脚本の山口茜さんと演出助手の方を交えたアフタートークがあり

 観ている時には気づかなかった、場面に込められた設定などを聞くことができ、

 それによって、上演中はただただ怖いという感想だったのが

 「登場人物はみんな愛が欲しかったのだ」という気づきから

 「自分もこの中の誰かになりうる欠片を持っているのかも知れない」

 という感想へ変わっていったのが面白かった。

 

 小劇場では、アフタートークのある作品もよく見かけるので

 できるだけ、それがある回のチケットを取るようにしている。

 そうすると、自分では気づかなかった作者の意図を知ることが出来たりして

 観終わった後にもう一度脳内で再生し、作品を楽しむことが出来るという魅力がある。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 23:23 | comments(0) | - | pookmark |
2017年12月:観劇備忘録(3)

ピン 12/2(土)

 白石加代子 女優50周年記念公演

 『笑った分だけ、怖くなる vol.2』(相模女子大学グリーンホール)

 →小野寺修二さん演出。

  白石加代子さん、佐野史郎さんの二人芝居。

  メニュー表のようなものに台詞が書かれていて、

  読み上げながら演じるというスタイル。

  2作品の上演で、『ベーコン』という作品では

  官能的で観ているこちらがクラクラするような色気だった。

 

ピン 12/16(土)

 『欲望という名の電車』(シアターコクーン)

 →今回、悩んでコクーンシートを取ったため

  舞台が見えないシーンも多く、役者の声で作品を観賞することが多かったが

  それでも気迫を感じさせる大竹しのぶさんの凄さに圧倒された。

 

ピン 12/24(日)

 『かがみのかなたはたなかのなかに』(新国立劇場/小劇場)

 →最後、一番いいところで寝落ちしてしまった…。

  長塚圭史さんがお芝居されている作品を観るのは初めてだったかも。

  女性役のシーンでは、スカートから覗く美脚に視線が釘付け。

  帰り道、観た人の感想などを検索して読んでいたら

 「子供には残酷なラストかも」というのが多く見られた。

  寝落ちした自分が残念で仕方ない。

  今回は再演なので、再々演があったら次こそは寝ずにしっかり見届けたい。

 

 

| 観劇・美術・映画 | 23:16 | comments(0) | - | pookmark |
2017年11月:観劇備忘録(8)

ピン 11/1(水)

『ALATA』(オルタナティブシアター)

 

ピン 11/4(土)

イキウメ『散歩する侵略者』(シアタートラム)

→イキウメは2回目の観劇。

 時期は少しずれていたけれど、映画の公開もありました。

 「SFが好きかどうか」、自分の中で深く意識したことはなかったけれど

 イキウメに関しては拒否反応無く観ることが出来ています。

 劇団の作品なので、俳優さんが前作とは全く違った役柄を演じていらして

 見応えがありました。

 

ピン 11/4(土)

ラボジェンヌ『ノエルのゆめ』

→Twitterがきっかけで観に行くことができた作品。

 話の展開が読めた部分はありましたが

 「(今の自分を)子供の頃の自分に誇れるか」

 「歳を取るって、選ばなかった選択肢が増えて、後悔も増える。

  でも、後悔を覚悟に変えた人は強い」など、心に刺さった台詞がいくつもあった。 

 

ピン 11/5(日)

庭劇団ペニノ『地獄谷温泉 無明ノ宿』(KAAT / 大スタジオ)

→これは…今年一番かも。

 肌を見せて演じることを「体当たり」という言葉で表現することは陳腐だと

 自分の中で思っているのだけれど

 なんていうか、すごい作品だった。

 あの素晴らしい舞台美術。

 それを小劇場の値段で観ることが出来た贅沢。

 別の日に観た友人が「久々に “ 演劇 ” に打ちのめされた」と感想を送ってきたけれど

 分かる気がする。

 独特な世界観。

 感想を共有することが難しいのだけれど

 個人的には『耳なし芳一』を思い出した。

 

ピン 11/11(土)

木ノ下歌舞伎『心中天の網島 -2017 リクリエーション版-』(のげシャーレ)

→糸井幸之介さんが演出ということでチケットを取った作品。

 舞台が、メロンの網目みたいになっていて、登場人物はみんな洋服で。

 色々と斬新だったけれど、歌のシーン含め、ラストでは肩が震えるのを抑えられない程

 泣いてしまった。

 (ちなみに、メロンの網目みたいな舞台は初演時と同じだそう)

 

 

ピン 11/12(日)

ナイロン100℃ 44th SESSION『ちょっと、まってください』(本多劇場)

→ケラさんが何かをやりたい、という気概は感じられた。

 でもそれが “ 何 ” なのか分からなくてモヤモヤが残った作品。

 (後日、この作品を観た友人曰く「Fadenが言いたいことは分かった。

 ケラさんがやりたかったのは “ 別役実 ” だね」とのこと)

 

ピン 11/18(土)

ヨーロッパ企画 第36回公演『出てこようとしているトロンプルイユ』(KAAT / 大スタジオ)

→ヨーロッパ企画を観るのは2回目。

 関西らしい、吉本新喜劇みたいな劇団だなぁと思う。

  

ピン 11/23(木)

坂崎出羽守/沓掛時次郎(国立劇場 大劇場)

→久々の歌舞伎。

 年齢のせいか、商業劇を観ると

 ストーリーや台詞の裏にある意味を考えるのが億劫に感じることが増えてきて

 結末が明確な歌舞伎を観ると、ホッとしたりする。

 

 

 

本当はこの他に2本、観に行きたい作品があったけれど

体調を崩して行けなかった。

健康第一。

これからは「観たい!」とむやみやたらにチケットを取るのではなくて

もう少し厳選しながら、休日は体を休めることを大切にしようと思った11月。

 

 

| 観劇・美術・映画 | 23:15 | comments(0) | - | pookmark |
観劇:iaku 『ハイツブリが飛ぶのを』

とある方のブログで

『粛々と運針』という舞台の感想を読んだのが

iakuを知るきっかけだった。

その感想がとても素敵だったので

(次回作はぜひ観てみよう)と思い

iakuのHPをブックマークした。

 

 

 

10/21(土)14:00〜(於:こまばアゴラ劇場)

作:横山拓也

演出:上田一軒

 

【キャスト】

キナツ   :阪本 麻紀(烏丸ストロークロック)

アキラ   :緒方 晋 (The Stone Age)

ヨカゼ   :佐藤 和駿(ドキドキぼーいず)

本当のアキラ:平林 之英(sunday)
【あらすじ】
中型のチュウヒで、この地域の人たちが「ハイツブリ」と呼ぶ渡り鳥がいる。
このハイツブリが越冬のためにわたってくる丘、渡ヶ丘(わたりがおか)で
整然と建ち並ぶ仮設住宅。
海からそう遠くない場所で、比較的近くに活火山・渡岳(わたりだけ)がある。
日本列島が火山の活動期に入り、全国各地で噴火が相次ぎ
中国地方・関西地方の都市部にも積もった火山灰が影響して
交通・流通は麻痺していたが、1年が経ち、少しずつ都市の機能が回復しつつある。
それでも、自宅に戻れないものは多数いて
仮設住宅に腰を据えることを選ばなければならないケースも多数あった。
ここ、渡ヶ丘避難所も、ほとんどの人が新たな暮らしを受け入れ始めようとしていた。
そんな折、またしても火山の噴火によって生活が壊されてしまう。
近くの火山、渡岳が噴火した。
噴石や火山灰によって、ほとんどの人間が渡ヶ丘を去り、新たな避難先を求めた。
降灰で白く霞んだこの地で一人、女・キナツが
夫・アキラの帰りを待っている。
彼女は、被害の小さかった建家に移動して
みんなが残していった備蓄をかき集めて暮らしている。
やることは何もない。
食料も燃料も、次の冬を越すには少なすぎる。
せめてもと、噴火の被害に遭った八人の住人の遺体を
ポリバケツに入れ、屈葬のようにして土に埋めた。
読経の変わりに思い出の歌を唄おうとしたが、思い出せない。
いろいろなことが思い出せない。
そこに忽然と現われた絵描きは、彼女を退屈から救った。
絵描きは、いくつもの被災地を巡り、遺族から故人の思い出を聞き出して
犠牲者たちの “ 見当似顔絵 ” を描きながら旅をしている。
【感想】
作品としてのテーマは、震災による人々の心の傷が主なんだけれども
夫・アキラの不倫相手・フユが集落の中の住人だったこともあって
せまい集落の暮らしの中で、周囲の人間から蔑まれて苦しんでいたキナツの心。
フユが噴火の被害者のうちの一人であったことから
ポリバケツに入れて埋葬したのは侮蔑なんだろうと問いかける絵描きの言葉とか
帰ってきたアキラが、実はフユの実兄だったのに
本当のアキラが帰ってきた時に、
キナツはアキラのことを「知らない」と言って拒絶したり。
こうして文字にすると、救いがない悲しい話に思えるのに
実際の舞台は、ちょくちょく笑いが起きていました。
それは、セリフが絶妙な面白さだったから。
だからこそ、笑った後にテーマが重さを伴って、心に落ちてくる。
本当の夫・アキラを受け入れられないキナツ。
でも、ハイツブリがやって来るのを見つけたラストシーンでは
今後もしかしたら、と夫婦の未来に一縷の望みを見たような
そんな気がして少しホッとしたのだけれど
あれは私の希望だったのかも知れない。
役者さんは4人。
本当に失礼な話なのだけれど、加齢のせいか
初めて観る役者さんを(あ、この人、○○さんに似てる)と思いながら
観てしまうことが最近多くて
アキラ(※本当はフユの実兄である)を演じた緒方晋さんは
リリー・フランキーさん。
フユと不倫した、本当のアキラを演じた平林之英さんは田中哲司さん。
皆さん、役柄によく合っていて、別の作品も観てみたいな、と思った。
終演後、物品販売のコーナーで
『粛々と運針』のDVDがあるかどうか見ていたら
スタッフさんが話しかけてきてくれて、今日の作品の感想などを話した。
すぐ近くに、一人の男性が立っていたのだけれど
スタッフさんがニコニコしながらその人に手の平を向けて
「(彼が)横山です」と。
『粛々と運針』のDVDを購入し、サインをしてもらいました!
この作品は来年、再演が決まったそうで
スタッフさん曰く「このDVDの時とはセットの組み方が異なるので
違った見方をしてもらえると思います」とのこと。
ニガテな新宿だけれど、頑張って観に行こうと思った。
| 観劇・美術・映画 | 21:19 | comments(0) | - | pookmark |
観劇:『関数ドミノ』

イキウメの前川知大さんの作品、と知り

(あぁ、観たい。瀬戸君も出るのね!これは是非チケットを取ろう)

と思ったものの、先行抽選でことごとくハズレ

一般発売初日でなんとか取ることができました。

 

 

 

10/8(日)13:00〜(於:本多劇場)

 作  :前川知大

演出:寺十吾

 

【キャスト】

真壁薫 (事故の目撃者)         ・・・ 瀬戸康史

左門森魚(小説家)          ・・・ 柄本時生

秋山景杜(真壁の友人)        ・・・ 小島藤子

新田尚樹(事故の運転手)       ・・・ 鈴木裕樹

土呂弘光(HIV患者)         ・・・ 山田悠介

田宮尚偉(事故時の歩行者・左門の友人)・・・ 池岡亮介

平岡泉(作家をめざす学生で田宮の後輩)・・・ 八幡みゆき

大野琴葉(真壁の主治医・精神科医)  ・・・ 千葉雅子

横道赤彦(事故の保険調査員)     ・・・ 勝村政信

 

 

 

【あらすじ】

とある都市で、奇妙な交通事故が起きる。

信号のない横断歩道を渡る歩行者・田宮尚偉のもとに、

速度も落とさず車がカーブしてきた。

しかし車は田宮の数センチ手前で、

あたかも透明な壁に衝突したかのように大破する。

田宮は無傷、運転手の新田尚樹は軽傷で済むが

助手席に座っていた女性は意識不明の重体となってしまう。

目撃者は真壁薫、秋山景杜、左門森魚の3人。

事後処理を担当する保険調査員・横道赤彦は

この不可解な事故に手を焼き

関係者を集めて検証を試みる。

すると真壁が、ある仮説を立てるのだった。

はじめは荒唐無稽なものと思われたが、

それを裏付けるような不思議な出来事が

彼らの周りで起こり始める。

 

 

 

“ ドミノ ” と呼ばれる、願うと何でも叶ってしまう人の存在に焦点を当て

奇妙な交通事故の原因は、その場に居た

“ ドミノ ” である(とされる)森魚が

友人の田宮を事故から救うために願ったことが叶い

田宮は無傷、車を運転していた新田側に大きな損傷が起こった、

と仮説を立てた真壁は

土呂という、HIVキャリアの男を森魚に近づけ

親しくなるように仕掛ける。

森魚が本当に “ ドミノ ” であれば、土呂が完治するように祈るはずだ、と。

土呂のHIV検査が陰性と出れば、

森魚が “ ドミノ ” であることが実証されると

主張するのだった。

 

 

 

【感 想】

期待以上でした。

この作品は、2009年と2014年に上演されていて

前川さん曰く「大きなストーリーは同じですが

一部登場人物とラストに違いが少しあり

2009年版の方が少しだけラストに希望がある。

今回は、09年版を選びました」との事。

 

 

 

私個人の解釈ですが

極端に端折ってしまうと「引き寄せの法則」のお話。

真壁は、ドミノ=願いが叶う人

といい意味で捉えていますが

高校時代に彼女を親友に取られたり

今までにいいことが無い人生だったと嘆く、

その真壁自身も “ ドミノ ” なのだと指摘され、うろたえる。

秋山は「自分が “ ドミノ ” じゃなくても、希望を持っていたい」

というような、真壁と対立する意見を述べて

真壁から「うるさい!!」と言われた瞬間、

意識を失って倒れてしまいます。

 

 

 

秋山を揺さぶり、名前を呼んで起こそうとする真壁に

「君が本当に “ ドミノ ” なら

本気で秋山さんの回復を願えば、彼女は目を覚ます」

と(確か)横道に言われ

秋山の名を呼び続けるところで、終幕。

 

 

 

昨年の『遠野物語』を観て、

(あれ?瀬戸くんて上手い)と思ったのですが

今年、『陥没』を2回観てますますその思いは強くなり

今回の『関数ドミノ』で揺るぎないものになりました。

 

 

 

ともすれば、その顔の綺麗さで

この役は全く合わないものになってしまうところを

ネガティブで、他者を羨み、人を使って自己の考えを立証しようとする

ずるい役柄を、上手く演じていました。

感情の不安定さを、襟を頻繁にいじるクセで表現したり

さえぎるように大きな声を出して他者をはねつけ

自分の意見を通そうとしたり。

 

 

 

「ラストに少し希望がある2009年版の再演」と言うことですが

私には、希望は感じられなかった。

自分が “ ドミノ ” だと言われ

大切な友人・秋山を自分のせいで傷つけ

「お前が本気で願えば、彼女を救えるかも知れない」って

今までの自分の生き方を全否定されて

それと全く逆の生き方(思考)を今すぐしないと

友人を助けられない、って残酷な突き付けだな、と。

それが出来ると見込んでの、横道の指摘だったのか。

作品を観てから1ヶ月近く経ってこの記事を書いていますが

今も時々、ラストシーンを思い出します。

 

 

 

しかし瀬戸くんのこの演技力が

舞台でしか観られないのは本当に勿体無い。

どうか、顔ではなく演技力にスポットがあたるような作品に

今後出演されることを強く望みます。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 21:21 | comments(0) | - | pookmark |
衝撃の観劇:暗闇演劇『イヤホン』

真っ暗闇の中でのお芝居。

フライヤーに書かれた

「無言劇があるなら無見劇」というキャッチがすごいです。

カンフェティのメールマガジンで気になって

チケットを取りました。

【カンフェティ】席ということで

通常¥3,800のところ、¥2,000。

これだけ値下げだと席はどうなんだろう?と一瞬思ったけれど

スズナリだし、そもそも暗闇だから

後ろの席に座ろうと関係ないよね。

だって見えないんだもの。

 

 

 

ということで、いざ。

チケットの整理番号順に入場し

私は70番台でしたが、前から4列目に着席。

入場時にペンライトとイヤホンを渡されました。

 

 

 

10/7(土)19:00〜(於:スズナリ)

作・演出:大川豊

 

【キャスト】

大川豊

寺田体育の日

鉄板■魔太郎

Jonny

牛越秀人

特別出演:小椋あずき

 

 

 

【感 想】

暗闇の中でしたが、ペンライトはありますし

スタッフの方が暗視カメラで場内をチェックされている

という事で、不安はありませんでした。

ただ、この日は雨風が強くて、昼過ぎからだいぶ気温が高かった。

空調が入っていなくて、最後の方は場内の空気のよどみに

気分が悪くなってしまい(早く終わらないかな)と、

そればかり考えてしまったのが残念でした。

 

 

 

お話は、練りが足りないような印象を受けました。

入場時に渡されたイヤホンの使い方が面白いと思ったし

時々、火花程度の光でチラッと見える舞台には

きちんとセットが組んであり

暗闇の中で演技をされている俳優さん達もすごいと思った。

 

 

 

おそらく、こういうことをやっている劇団は他に無いと思うので

面白い観劇体験でした。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 22:20 | comments(0) | - | pookmark |
観劇:TAIYO MAGIC FILM 『時分自間旅行』

テレビ東京の深夜ドラマ『下北沢ダイハード』の

脚本家としても選ばれた、西条みつとしさん作、

というところが面白そうと思ってチケットを取りました。

 

 

 

9/24(日)pm16:00〜(於:赤坂RED THEATER)

脚本/演出:西条みつとし

 

【キャスト】

良斗 ・・・ 町田慎吾

松井 ・・・ 広澤草

心男 ・・・ 南好洋

心女 ・・・ 里久鳴祐果

思夏 ・・・ 三森淳子

愛來 ・・・ 仁藤萌乃

波尾 ・・・ 畠山U輔

健太 ・・・ エハラマサヒロ

智乃 ・・・ 鈴木まりや

彩  ・・・ 小築舞衣

土屋 ・・・ ヨネックス千晴

店長 ・・・ 由地慶伍

西田 ・・・ 篠原あさみ

優一 ・・・ ナカノアツシ

堀川 ・・・ 蔭山ひろみ

舞子 ・・・ 中村涼子

朝奈 ・・・ 西田薫子

岡西 ・・・ 濱崎大輝

 

 

 

【あらすじ】

愛來と波尾は、婚約者同士。

波尾は小説を書いている。

いよいよ挙式が明日にと迫った前日、

「これを読んで欲しい」と、波尾から渡された本を読む愛來。

そこには、6組の男女の恋愛が描かれていた。

 

 

 

一組目は、店長と西田の話。

店長は、喫茶店をやっている。

そこにある日、一人の女性が客としてやって来た。

その女性を見るなり、驚き、挙動不審になる店長。

コーヒーを飲み終え、会計をして出る女性に

「また来てくれますか?」と尋ねる店長。

女性は「えぇ。コーヒー、美味しかったので」

と言って、店を出る。

店員の舞子に「店長〜、あの人に惚れちゃったんじゃないですか?」

とからかわれるも、どこか上の空の店長。

 

 

 

(実は、観てから1ヶ月半経って書いているので

あらすじはうろ覚えですが、ところどころを備忘録で)

 

 

 

松井は恋人を亡くした後、立ち直れず

彼の携帯にメッセージを送った。

すると、返信が来る。

彼の携帯はとっくに解約されており

別の契約者(良斗)が同じ番号を使っていたのだが

顔の見えない相手に、自分の悩み事を打ち明けたりして

二人は打ち解けていく。

そして、付き合うことになる。

 

 

 

健太は、彩と付き合っている。

彩には、妹(智乃)がいて、二人は仲が良い姉妹だ。

だが実は、智乃は健太に想いを寄せていて…。

健太との結婚を考えている彩は

旅行を兼ねて実家に健太に来てもらおうとするが

直前になって健太から別れを告げられる。

体調不良が続いていた健太が病院へ行くと

病のため、余命3ヶ月だと告げられていたのだった。

それを彩に隠し、彼女の元から去る健太。

 

 

 

と、次々にカップルの男女が登場するのですが

実はこれはすべて、愛來の父と、母の恋の話。

愛來が3歳のとき、大地震で母は亡くなる。

男手ひとつで、愛來を育ててきた父。

が、死んだと思っていた妻は生きていて、

偶然、客として自分の喫茶店に来たのでした。

大地震がきっかけで記憶を無くし

被災者同士として出会った優一と結婚していた妻(西田)。

 

 

 

歌手になることが夢だった夫の優一に

「私のために曲を作って、一番に聞かせて欲しい」とお願いする西田。

店長の店に、(これまた偶然)客としてやって来ていた優一は

会社の後輩で、優一に想いを寄せる後輩の前で曲を披露する。

それを店のドアの前で偶然聞いてしまう西田。

帰宅後、「曲が出来たよ」と優一が唄った歌を

「それ、私以外の人に聞かせたよね?」と責める西田。

家を飛び出す西田は、気付けば喫茶店に来ていて

西田から話を聞いた店長は「それは誤解だ」と

優一が、後輩から「何か唄ってくれ」と強引に頼まれて

仕方なく唄ったんだと。

「彼が一番大切に想っているのは、あなたですよ」と言い

西田を優一の元へと返すのだった。

 

 

 

【感 想】

途中で(あれ?)と思うシーンがいくつもあり

(※これは、伏線だったと後に気付くのですが)

最後、ひとつに繋がったときは(やられた!)と思いました。

店長、17年前に生き別れた妻(西田)を

自分の元に取り戻す絶好の機会だったのに

それをせず、愛する人の幸せを願って身を引くラストシーンは

(自分だったら同じように行動できるかな)と考えてしまった。

 

 

 

劇中の登場人物の名前を変えていたのは、波尾の計らいと見せかけて

同一人物だとわからないようにする脚本家の策略です。

伏線を丁寧に回収して、無理なく感動的な結末に繋いだ西条さんが

『下北沢ダイハード』の第1話であの脚本を書いた人と同じ人物であると

にわかには信じがたいほどの話の展開。

(いい意味で)この人のあたまの中、どうなってるの??

 

 

 

私の苦手な、好きなのに展開早めで脳内処理がついていかない系のお話でしたが

観て良かったです。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 23:36 | comments(0) | - | pookmark |
観劇:電動夏子安置システム『グランディ氏の穏やかな遺言』

チケットを予約したものの(※当日劇場で精算)

あまりの暑さに、キャンセルしようかなと迷ったけれど

行ってよかった。

初めて観る劇団、電動夏子安置システムの

『グランディ氏の穏やかな遺言』です。

 

 

 

こういう、ちょっと込み入ったストーリーは

一度で理解できないのですが

(※ 『アジアン・エイリアン』 なども、そう)

好きです。

好きな気持ちはあるのに、理解できない。

もどかしいれけど、つい観てしまいます。

 

 

 

グランディ氏の穏やかな遺言

右端のキャッチコピーに惹かれました。

「あの子、昨日は赤ちゃんだったはずなのに」

 

 

 

グランディ氏の穏やかな遺言

〜チラシより〜

 

短命なものの例えとして思い浮かぶものは「蝉」だろうか。

実際は個体差があるだろうし、

その大部分は地中で幼虫として過ごしてはいるので

決して短命とはいえないのだが、

如何せん、世に出てやかましく声を挙げる期間からして、

一見、短命に見えるのである。

 

彼女はこの部屋を提供してくれた友人に感謝している。

元・保育士の彼女が、このマンションの一室を改装して

家庭的保育所を開設したのは半年ほど前の事である。

認可の無い施設ではあるが、

保育所不足が深刻だったこの地域では、

利用者は多かった。

 

しかし、騒音の問題から近隣の苦情が相次いだ。

それはやがてエスカレートし、

様々な嫌がらせを伴うようになった。

彼女も決して負けてはいなかったが、

徐々に心がすり減っていった。

何度も協議を重ねたが和解には至らず、

いよいよ舞台を裁判所に移すかどうかという段階に至る。

やりきれない想いでいたが、何よりこれ以上、

子供たちを巻き込むことは不本意であった。

 

協議の日が7日後に迫った日の朝。

彼女は保育所の玄関に

生まれたばかりの男児が放置されているのを見つける。

 

それらはさておき、彼には今日までの記憶が無い。

無いというよりは曖昧であって、

それがまるで作り物のように感じられていた。

それでも周囲の人たちは、自分として認識して接している以上、

その記憶は正しいと思わざるを得ない。

 

彼はその理由をまだ知らない。

自分が7日間で生まれて死んでいく事を。

 

 ソロモン・グランディ

 月曜日に生まれた

 火曜日に洗礼を受け

 水曜日に嫁をもらい

 木曜日に病気になった

 金曜日に病気が悪くなり

 土曜日に死んだ

 日曜日に埋められて

 ソロモン・グランディは

 一巻の終わり

 

つきつけられた期限。

それぞれ最期の一週間。

 

 

 

8/5(土)17:00〜(於:駅前劇場)

脚本/構成:竹田 哲士

 

【キャスト】

水本 翔太(7号室の住人・最近入居してきた男)・・・小原 雄平

日野 良司(1号室の住人・フロア役員))   ・・・道井 良樹

木内 美彩江(6号室の住人・入居者では一番の古株)・・・新野 アコヤ

三輪 聖美(孔亮の孫娘・仕事で海外に滞在中)・・・犬井 のぞみ

月原 智絵(保育士・4号室に保育所を開設する)・・・小舘 絵梨

火神 早希(保育士・智絵の後輩)・・・林 佳代

三輪 佳織(5号室の住人・孔亮の孫娘を名乗る)・・・志賀 聖子

金森 まゆみ(3号室の住人・娘と2人暮らし)・・・中山 まりあ

土屋 雄輝(2号室の住人・妻の出産が間近)・・・日向 翔梧

三輪 孔亮(5号室に居住していた老人)・・・馬上 亮

 

 

 

【あらすじ】

急死した老人、三輪孔亮は、孫娘の聖美にひとめ会いたくて

生き返らせてくれ、と天国の門番のような女性に頼んでいる。

事務的なやりとりを早口で済ませると

「あなたは生き返った。

ただし、ドアをくぐる度に、歳をとる」と言い残し

女性は部屋を出て行く。

 

 

 

孔亮は、マンションのワンフロアを所有していたが、急死した。

孔亮の孫娘を名乗る佳織の計らいで、

マンション内の部屋で、他の住人には内緒で保育所を開く女性・月原。

それぞれの部屋に住む住人たちは

トラブル無く生活していたが

土屋の妻が出産して間もなく、その赤ん坊が病院から居なくなってしまう。

日野が外出から家に戻ると、玄関先に、段ボールに入れられた赤ん坊が。

動揺した日野は、その段ボールを4号室(保育所の前)に置いてしまう。

 

 

 

月原が外出から戻ると、部屋の前に段ボールが置いてある。

開けてみると、生まれて間もない赤ん坊が入っていた。

月原は、警察に届け出ることはせず、保育所でこの赤ん坊を育てようとする。

月原の後輩で、保育士の早希が面倒を見るのだが

この赤ん坊、どうも様子がおかしい。

成長のスピードが、異常に早い。

 

 

 

赤ん坊はどんどん大きくなり、

あっという間に、少年、青年、大人へと成長していくが

本人には、自分に関する記憶が名前(三輪孔亮)以外、一切ない。

 

 

 

孔亮の孫娘だと名乗っていた佳織は

孔亮の介護士として亡くなる直前に世話をしていた

清水佳織だった。

マンションの住人が、佳織を孫娘だと勘違いをし

佳織本人も「違う」と言い出せないまま

孫娘として葬儀を執り行い

孔亮が暮らしていた部屋にそのまま住み続け

友人である月原に、保育所を開設する場所として

一室を提供した。

だが、マンションは「居住以外の用途に利用してはならない」

という規約があることを知らなかった。

 

 


土屋の子供は、昔、土屋と付き合っていた時に堕胎させられた月原が

腹いせのために病院で命を奪ったのだった。

そうとは知らず、赤ん坊を探し続ける土屋。

自分は、土屋の子供ではないかと思い始める赤ん坊の孔亮。

水本は、元妻の聖美を探してこのマンションに引っ越してきたが

聖美を名乗る佳織を見て「これは聖美じゃない」と言い

マンションの住人たちは不審に思い始める。

 

 

 

この辺りから、脳が話の展開についていけず…。

のちに、聖美と名乗る女性が現れるのですが、それは整形した別人で

その別人が、赤ん坊の孔亮の耳元で何かをささやき

孔亮は二度目の命を落とす。

で、ラストで本当の孫娘・聖美が現れるのですが

それは一番最初に出てきた天国の門番の女性と瓜二つで…。

 

 

 

【感 想】

半分〜2/3を過ぎたあたりから

話が脳内でこんがらがって理解度がイマイチだったのですが

面白かったんです。

家でDVD見てるんだったら、巻き戻したくなりました。

 

 

 

すべての役柄が、俳優さんとマッチしていて

小さな劇場ということもありましたが

皆さんの声がよく通って、非常に見やすかった。

ともすれば(この台詞は要らないな)と思われるようなものも

俳優さんの演じ方が上手いので、全くそう感じさせない。

むしろ(またあの役の人、面白いこと言うんじゃないか)

と期待してしまう。

言葉の選び方が絶妙でした。

 

 

 

第36回公演とあるので、

ファンもたくさん居るような場内の雰囲気でした。

それもまた、楽しかった。

小劇場の面白さが、やっと分かってきたようなこの頃です。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 22:17 | comments(0) | - | pookmark |
観劇:『気づかいルーシー』

子供向けの演劇で、原作が松尾スズキさん。

初演から、2年で再演。

というのが気になり、チケットを取りました。

 

 

 

【キャスト】

ルーシー :岸井 ゆきの

王子さま :栗原 類

馬・王の馬:山中 崇

おじいさん:小野寺 修二

 

 

 

【あらすじ】

とある村で、おじいさんと暮らす女の子ルーシー。

ある日、おじいさんと馬が出かけ

馬から落ちたおじいさんは死んでしまうが

ルーシーを悲しませまいと気づかった馬は

おじいさんの皮をはいで、それをかぶり、

おじいさんとしてルーシーが待つ家に帰る。

 

 

 

見た目はおじいさん(の皮をかぶっている)だが

人間の言葉が話せず、下半身は馬なので

それがおじいさんではなく馬だと、ルーシーは気づくが

馬の努力を気づかって、気付かないふりをする。

 

 

 

しかし実は、おじいさんは死んでおらず

落馬のショックで気を失っただけだった。

目覚めると、自分の皮が剥ぎ取られていることに驚くが

中身だけのまま(※理科室にある、標本みたいな筋肉チックな衣装)で

ルーシーと、おじいさんになったつもりの馬を見守る。

 

 

 

成長したルーシーは、通りかかった王子さまと恋に落ちるが

実は王子さまは余命3ヶ月の命。

結婚したいほど好きなのに、王子さまはもうすぐ死んでしまう。

悲しむルーシー。

すると、見守っていた中身だけのおじいさんは

全身に王子さまのペイントを施し

ルーシーと結婚しようとする。

ついに、ルーシーと、王子さまになりすましたおじいさんが結婚、

という場面で、馬が驚きの告白を始める。

 

 

 

馬は、もとは、とある国の王様の馬だった。

国同士の戦争により、命からがら逃げ出した王様とお妃様が

どうかこの子だけは助けたい、と

お姫様であるルーシーを馬に託そうとした時

馬が「わたしの皮をはいで、それを身に着けてください。

王様とお妃様は馬のふりをして生きていけばいい」と提案する。

 

 

 

ルーシーを見守っていた馬の中身は

ルーシーの両親だったのだ。

ルーシーが、お姫様だと分かった王子さまは

「実は、君が庶民だと僕たちは結婚できないので

3ヶ月の命だと嘘をついた。

君がお姫様ならば、なんの問題もない。結婚しよう」

と言い、二人は結婚する。

 

 

 

【感 想】

とてもかわいらしくて

大人が観ても “ 気づかい ” について考えさせられる。

きっと子供とは違った視点でみんな楽しんでいる。

そんなことを感じながら、観ていました。

 

 

 

舞台の両端には、楽器が置いてあり

田中馨さん(元SAKE ROCKメンバー)と

森ゆにさんが演奏したり唄ったり。

その音楽がやさしくて、

この作品の “ 気づかい ” を表しているようで

とても合っていた。

 

 

 

ルーシーを演じた、岸井ゆきのさん。

ドラマ『99.9』に出演されていたときは

ちょっと変わった役だったせいか、見ていて苦手意識があったけれど

初演を観た友人が「あの役は、とても合っていて可愛い」と言う通り

ルーシー役はとても合っていた。

 

 

 

馬がおじいさんの皮をはぐ、という残酷なシーンも

皮を剥がされたおじいさんは

理科室の骨格標本みたいな衣装で出てきて、どこか笑えたり。

王子さまになりすましたおじいさんが

「え、あの子と私が、結婚?!」と正気に戻ったときも

「夜の生活はどうすればいいんだ」と真面目に悩んだり

(↑これ、大人は笑っていたけれど

もっとエグい台詞もあったので

あとでお子さんから質問されたらどうするんだろう…

と要らぬ心配をしてしまいました)。

要所に、毒っ気が入っていたのも面白かった。

 

 

 

誰かが誰かを気づかって、

その気づかいが度を越すと、おかしさや、悲しさを生む。

王子さまが「余命3ヶ月」と嘘をついていたのに

ルーシーがお姫様だとわかって「結婚できる」と言ったのは

腹が立ったけれど(笑)

嘘は、ルーシーを傷つけないための

王子さまなりの気づかいだったのだ、

だから腹を立てるな、と自分を納得させました。

相手に気を遣わせない気づかいというのは

人それぞれだから簡単ではないけれど

やっぱり、気づかいっていいな、と思った作品でした。

 

 

 

 

 

確か、観たのは千秋楽。

だけど、千秋楽にこだわらずに、ソワレの方が良かったかも…。

というのも、お子さんが多く

「トイレ行きたい」「まだ終わんないの?」「つまんない」と言う声が

すぐ後ろから聞こえてきて…

子供向けのお芝居ということもあるし

お子さんが居ることは承知の上だったのですが

私は楽しく観ていたので、ちょっと残念な気持ちになりました。

途中でトイレに退席するお母さんのヒールがカンカン鳴るのも

普段の観劇ではありえない事なので

なんだかなぁ…と。

相手に気づかいを求めるとこちらが疲れるから、期待はしない。

こういう時、同じ場に居合わせる客との “ 縁 ” も含めて楽しめるくらい

心に余裕をもって観劇できるようになりたいな、と思った次第です。

 

 

 

| 観劇・美術・映画 | 21:57 | comments(0) | - | pookmark |

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